自己表現 vs 問題解決
はじめまして、4月からデザイナーとして入社しました芥川です。
学生を卒業して社会人となり、デザインが課題から仕事に変わった今、改めてデザインについて考える必要があると思います。
「アートとデザインの違いって何だろう?」
専門学校に入学してすぐの授業で聞かれました。
当時の自分はデザインの知識もなく、ただのお絵かき少年だったので、なんとなーく違うというのはわかっていましたが、上手く言葉にすることができなかったのを覚えています。
アートとデザインの違い
デザインを学んだ今、「アート」と「デザイン」の違いを言葉にすることができます。
それは「制作する目的」です。
「アート」は目的の有無に関わらず、表現してカタチになったもの全てがアートだと言えます。
一方で「デザイン」はクライアントが存在し、問題解決という目的があり、伝えるためのというツールとして使われます。
また、アートは創作者の感情や思想が主体であり、個人的な表現が重視されますが、デザインは相手に伝えるための手段として、クライアントやユーザーの視点が重視されます。「アート」と「デザイン」がごっちゃになってしまうと、ひとりよがりなものしか生み出せません。
僕はもともと「アート」に属される絵を描くことが好きで、この業界を目指しました。
だから、葛藤します。
今はトップページがあり、その下層ページをデザインするというのが主な業務です。「ここはもっとこうしたいけど、トップページの雰囲気に合わせなきゃ。」「自分はこっちの方が好きやけどな・・・。」なんて葛藤しながら作業しています。
いいデザインとは、自分が表現したいものを表現することではなく、クライアントの言葉にできていなかった深層心理までを視覚的に代弁できるものだと思います。なぜこのように表現したのか聞かれた際に、説明できるようなデザイナーでありたいと思っています。
アートから学ぶこと
「アート」と「デザイン」は違うと言いましたが、もちろん共通点や学ぶことは多くあると思います。
個人的な話になりますが、僕は絵を描くことが好きで高校生の頃は美術部で永遠に油彩をしていました。
その影響でたまに美術館にも行ったりします。
美術館で絵を見るときは、メインモチーフを見た後に背景やら画面の端っこなど画面を満遍なく「観察」します。そこから、制作の意図や時代背景を読み解くようにしています。
しかし、わざわざ美術館まで行ってまで絵を見ない人のほとんどが、「観察」することなく1,2秒見て終わりだと思います。
「デザイン」においても「観察」されることはなかなかありません。だからこそ僕はその1,2秒に「デザイン」のヒントがあると思います。
メインモチーフに目が行ったあとの目線の動き、目立つ色、印象など、その短い時間に受け取った情報から、「デザイン」のヒントを見つけ出すことができます。
こうした「デザイン」のヒントは、アートだけではなく様々の場所に隠れているため、常にアンテナを張り、「いいな」と思ったものそこで終わらせるのではなく、なぜ「いいな」と思ったのか、そこまで考えられるようになりたいです。
最後に
はじめてのブログということで拙い文章だったと思いますが、文字に起こすことで「デザイン」について再認識できるいい機会でした。
まだまだ未熟者ではありますが、「デザイン」の力を使って社会に貢献できるデザイナーになりたいです!