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コーポレートサイトリニューアルは失敗する?その原因と解決法とは

2024.07.12 : Semba Hideki
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企業の顔とも言えるコーポレートサイト。そのリニューアルプロジェクトは多くの企業にとって重要な一大イベントです。しかし、残念ながら多くのコーポレートサイトリニューアルは期待通りの成果を上げられず、失敗に終わることが少なくありません。今回は、コーポレートサイトリニューアルはなぜ失敗するのか、その原因と成功のためのポイントについて探ってみたいと思います。

1. 多くのコーポレートサイトリニューアルは失敗する

リニューアルを行ったにも関わらず、訪問者数が増えない、コンバージョン率が向上しない、ブランドイメージの改善が見られないなど、様々な失敗の形があります。

例えば、ある大手製造業の企業が大規模なリニューアルを実施しましたが、訪問者数が以前と変わらず、売上にもほとんど改善が見られませんでした。このような失敗の背景には、共通するいくつかの原因が存在します。

失敗するリニューアルの典型例としては、デザインの刷新にばかり注力し、ユーザーエクスペリエンスを向上させる具体的な施策が欠けていることが挙げられます。

例えば、ビジュアル重視でナビゲーションが複雑化し、ユーザーが目的の情報にたどり着けなくなることや、またSEO対策を軽視した結果、検索エンジンからの流入が減少し、新規訪問者が減るといったケースもよく見られます。

2. 調査不足(GAが確認できないなど)

多くの企業は、リニューアルの前に十分な調査を行っていません。具体的には、Google Analytics(GA)などのツールを用いた現状のサイト分析不足。

例えば、現行サイトの訪問者がどのページで離脱しているのか、どのコンテンツが最も閲覧されているのかを把握しないままリニューアルを行ってしまうと、現行サイトの何が問題で、どこを改善すべきかの見当がつかず、効果的な改善が難しくなります。分析が不十分なまま、制作会社や担当者の印象のみでリニューアルを行うと、残念ながら必ずと言っていいほどそのリニューアルは失敗します。

あるECサイトでは、リニューアル前にGAデータを詳しく分析しなかったため、リニューアル後に売上が急減しました。後に調査したところ、主要な購入経路だったページがリニューアルによって削除されていたことが判明しました。このように、現状分析を怠ると、リニューアルが逆効果となるリスクが高まります。

3. リニューアルの提案はそもそも予想でしかない

リニューアルの提案は、しばしば仮説や推測に基づいて行われます。過去のデータや現状分析が不十分であるため、リニューアル後の成果も予測の域を出ないことが多いです。

例えば、あるIT企業が新しいデザインを導入する際、ユーザーの意見を十分に取り入れずに進めた結果、ユーザーエクスペリエンスが低下し、離脱率が上がってしまったケースがあります。

具体的な例として、ある金融機関が新しいユーザーインターフェース(UI)を導入した際、従来のユーザーが使い慣れていた機能が廃止されたため、大量の苦情が寄せられました。データに基づかない提案は、的外れな改善策となり、結果的に失敗に終わる可能性が高まります。

4. 提案そのものがあまり良くない

提案の質そのものに問題がある場合も多くあります。リニューアルの提案が目的や目標が不明確なまま進められることが多く、結果として中途半端な変更に終始してしまうことがあります。

例えば、ある小売企業が「もっとモダンなデザインにしよう」という漠然とした目標だけでリニューアルを行った結果、ユーザーから「使いにくくなった」との声が多く寄せられました。また、ユーザー視点を欠いたデザインや機能変更は、ユーザーのニーズに応えられず、サイトの使い勝手を悪化させる原因となってしまいます。

具体的な事例として、ある教育機関が新しいデザインを導入する際、学生の意見をほとんど取り入れずに進めた結果、学生から「情報が見つけにくくなった」という批判が殺到しました。このような失敗を避けるためには、ユーザーのフィードバックを十分に収集し、それを基にした提案を行うことが重要です。

5. リニューアル成功の鍵はリニューアル後の検証・改善

リニューアルが完了した後も、成功するためには継続的な検証と改善が必要です。

例えば、リニューアル後のサイトのパフォーマンスを定期的にモニタリングし、問題点を洗い出し、継続的に改善策を講じることが重要です。ある医療機関がリニューアル後に定期的なユーザーテストを行い、ユーザーのフィードバックをもとに小さな改善を繰り返した結果、訪問者数が大幅に増加し、予約件数も向上しました。このプロセスを怠ると、一時的な成果に終わり、長期的な成功を収めることは困難です。

具体的な例として、ある旅行会社がリニューアル後にユーザー行動を詳しく追跡し、訪問者がどのページで離脱しているかを特定しました。次に、そのページのコンテンツを改善し、ユーザーの関心を引くようにした結果、離脱率が大幅に減少し、コンバージョン率が向上しました。このように、リニューアル後の継続的な改善は、サイトのパフォーマンスを最適化するために不可欠です。

6. 仮説を立ててPDCAを実行することが成功への鍵

リニューアルプロジェクトの成功には、仮説を立ててPDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクルを実行することが不可欠です。計画段階で仮説を設定し、実行して結果を検証し、必要に応じて修正を加える。このサイクルを繰り返すことで、より精度の高い改善が可能になります。

例えば、ある飲食店チェーンがリニューアル後に仮説を立ててPDCAを実施した結果、ユーザーの予約動線がスムーズになり、予約数が20%増加しました。

具体的な事例として、ある教育機関がリニューアル後に仮説を立ててPDCAを回した結果、学生の利用状況に基づいたコンテンツの最適化が進み、サイトの利便性が大幅に向上しました。このように、PDCAサイクルを実行することで、ユーザーのニーズに迅速に対応し、持続的な改善を実現することができます。

7. 直ぐに効果が出ずとも焦らずじっくりと改善を

リニューアルしても、すぐに目に見える成果が出ないこともしばしばあります。しかし、ここで焦らずにじっくりと改善を続けることが重要です。短期的な成果だけにとらわれず、長期的な視点でリニューアルを捉えることが、最終的な成功につながります。

例えば、ある教育機関がリニューアル後に数ヶ月間じっくりとデータを分析し続けた結果、適切な改善策を見つけ出し、最終的には応募者数の増加に成功しました。

具体的な事例として、ある非営利団体がリニューアル後のパフォーマンスに焦らず、定期的なユーザーアンケートとデータ分析を行い、段階的に改善を進めました。その結果、一年後には訪問者数と寄付金額が大幅に増加しました。このように、長期的な視点で持続的な改善を行うことが、リニューアル成功の鍵となります。

まとめ

コーポレートサイトのリニューアルは、多くの企業にとって大きな挑戦ですが、多くのコーポレートサイトリニューアルは失敗します。その失敗のリスクを下げるためには、綿密な調査と計画を立てて施策を実行することが重要です。失敗してしまった場合でも安心してください。データ分析を行い、継続的な改善を行うことで、そのリニューアルを成功に導くことが可能になります。

リニューアルの目的を明確にし、データに基づいた改善を行い、PDCAサイクルを実践することで、コーポレートサイトリニューアル成功への道を歩むことができるようになります。 成功した事例を参考にしながら、焦らずじっくりと取り組んでいきましょう。

コーポレートサイトリニューアルをご検討中の方は、お気軽にこちらからご相談ください。

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