ナナサンがホームページ制作コンペに参加しない4つの理由

ナナサンがホームページ制作コンペに参加しない理由
ホームページ制作会社を選ぶ際、コンペ形式を採用される企業様は少なくありません。「複数社から提案を受けて比較検討できる」「多様な視点を得られる」といったメリットがあるように思えるからです。
しかし、私たち株式会社ナナサンでは、基本的にコンペには参加していません。それは単なる姿勢の問題ではなく、「成果につながるパートナー選び」として本質的にふさわしくないと考えているからです。
このブログでは、その理由を4つ、具体的にお伝えしたいと思います。
コンペでホームページ制作会社を決めることは妥当か?
前提として、現在コンペは公平性を担保する仕組みとして一般的に使われています。特に広告代理店や建築などの業界では、一定の慣習として受け入れられている側面もあります。
しかし、ホームページ制作の本質は「納品して終わり」ではなく、「運用して育てていく」ことにあります。中長期的な視点で、継続的な改善や戦略的パートナーシップが求められるプロジェクトにおいて、コンペという短期的な評価軸が本当にふさわしいのか、疑問を抱かざるを得ません。
なぜコンペでホームページ制作会社を決めるべきでないのか
オリエンテーションの短い時間で問題点を洗い出すのは困難
まず、一般的なコンペでは、初回オリエンテーションが1〜2時間程度しか確保されないことが多く、複雑な業務課題やターゲット分析、競合調査まで掘り下げるのは不可能に近いです。
そのため、どうしても「表面的な理解」で提案を行わざるを得ず、企業ごとの課題に寄り添った本質的な提案が難しくなります。
金額が安い・デザインが良い=良いホームページには合理的な疑問がある
コンペでは、どうしても「価格の安さ」や「見た目の派手さ」が目立ちやすくなります。しかし、ホームページ制作において本当に重要なのは、ビジネス目標にどうつなげるかという設計力や運用力です。
安さを優先するあまり、経験の浅い人材が担当になったり、必要な工程が省略されたりすることで、長期的には「安かろう悪かろう」の結果を招くリスクがあります。
また、単にデザインの良い会社を選んでも、実際には使いづらかったり、必要な情報が伝えられないというのは本末転倒です。
デザインや担当者の印象に左右されがち
プレゼンテーションでは、デザインのインパクトやプレゼンターの話し方、印象によって評価が左右されがちです。しかし、実際のプロジェクト成功に必要なのは「継続的な提案力」「分析・改善の仕組み」「丁寧な対応力」など、目に見えづらい部分です。
会社の未来を託す会社を、個人のデザインの好みやプレゼンテーションのうまさで判断するのはリスクが高いと言わざるを得ません。
また、プレゼンを担当した人と、実際の運用・制作を担当する人が異なる場合も多く、選定段階で得た印象と実際の対応にギャップが生じることもあります。
提案に向けた資料作成などに労力を割く時間的コストとリスク
コンペでは、各社がそれぞれ企画立案・構成設計・ビジュアル設計・資料作成に多くの時間と労力をかけています。中には、実制作に匹敵する工数がかかる場合もあります。これらは多くの場合、無償で行われます。
このような「提案だけして終わる」可能性の高いプロセスに、会社として多くのリソースを費やすことは、既存のお客様への品質担保や他のプロジェクト運営にも影響を及ぼしかねません。サービスの質を落とさず質の高い提案をできるのが理想ですが、制作会社には少人数の会社も多く、そこには大きなリスクがあると考えています。
また、提案書の中にはアイデアや構成の知的財産が含まれます。選定に漏れた場合でも、内容が他社に流用されてしまうリスクもゼロではありません。
上記のような理由から、弊社ではコンペへの積極的な参加は控えさせていただいております。
コンペをしない場合の代替案
それでは、コンペ以外にどのような方法で制作会社を選べば良いのでしょうか。以下のような進め方をおすすめします。
実績・事例を確認する
業種や規模が近い事例を見ることで、課題解決力や成果へのアプローチが見えてきます。知り合いの会社などがあれば、実際の声を聞いてみるのも良いでしょう。
段階的なコミュニケーションを重ねる
1〜2回の打ち合わせではなく、3回以上の対話を通じて、価値観や進行方法、価値観やスタイルの相性を見極めていくことも重要です。
小さな業務やスポット案件で試してみる
最初からフルリニューアルを依頼するのではなく、LP制作やサイト分析などから始めてみることで、相互理解が深まります。
まとめ
コンペという形式自体を否定するつもりはありません。ただ、ホームページという「企業の顔」であり、「戦略の起点」となる重要な資産を託す相手を、短時間・低コスト・印象ベースで決めてしまうのは、大きなリスクを孕んでいます。
私たちは、「成果をともにつくる伴走者」としての関係構築を大切にしています。そのため、提案勝負で終わる関係ではなく、丁寧に会話を重ね、目的を共有した上でプロジェクトを進めていく形を選び続けたいと考えています。
宇宙一を目指すホームページ制作会社として、私たちは企業の本質的な課題と真摯に向き合い、見た目だけでなく「成果につながるサイトづくり」をこれからも追求していきます。